天野の家

デザインコンセプト

庭を街に開き、風景をつくる。

「みんなで過ごすLDKは自然素材を使いたい」「家族や友人と遊べる庭が欲しい」というクライアントの要望を叶えるために、じっくりと打合せをして一緒に土地を決めました。 そこで出会ったのが、スノーピークが提唱する『アーバンアウトドア』を取り入れた緑豊かな分譲地。角地は一般的には良いと思われていますが、建物を設計するにはなかなか難しく、プライバシーを守るための工夫に費用がかかることが多くあります。その為簡単に〝良い〟とは言いにくいのが角地の特性です。そして角地には、その街の風景をつくるうえで重要な役割が与えられています。この家は、角の部分を街に開き、庭をつくり緑を植え、子供たちが走り回れる緑豊かな街になるようにと考え計画しました。

庭とつながる広々21帖のLDKには3帖の畳コーナーを設け、たくさんの居場所をつくっています。どこにいても目線が合い、会話が弾むようにウッドデッキや畳コーナーの高さにも一工夫しています。また、広い空間にしても耐震的に負担が掛からないように、いくつか現しの柱があります。その内のひとつは、ご夫婦が大好きな本の収納棚に。

その時の気分やシーンで好きな居場所を選び、家族や友人たち、時には一人で思いっきり趣味を楽しめる家になりました。

ポイント1

動作から生まれる心の動きをデザイン

玄関下に収納をつくるため、通常より玄関の高さを上げています。そしてホールから居間には下りるという動作を加えています。バリアフリーとは対照的ですが、「上がる」「下がる」という動作から生まれる心の動きをデザインしています。そして2階の広い子供室は最大3部屋、2部屋+書斎、家具で間仕切りなど、先読みしきれない将来の暮らし方に対してフレキシブルに対応できるように計画しています。

ポイント2

街並みと家族の暮らしを豊かに

「つながる街」という分譲地のコンセプトに合わせて庭を街に開き、50坪の敷地でも庭を広くとるために建物は整形の総二階としています。そして軒の出のある三角屋根、玄関ポーチの下屋や床、ウッドデッキの高さを工夫することで敷地に奥行きを生み出しています。庭木の成長と共に、街並みと家族の暮らしを豊かにしてくれます。

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